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東伊豆町稲取、民泊路考茶に設置されたタイル画
東伊豆町稲取、民泊路考茶に設置されたタイル画

今年9月、伊豆半島東伊豆町稲取にある一軒の宿に私の作品「今昔伊奈等利能図」(98x196cm)が設置されました。


イナトリ・アート・フェス2025の参加をきっかけに、町民ワークショップ、個展開催、そしてこうして作品設置までしていただき、感謝に堪えません。一年という短い期間にとても充実した経験をさせていただき、関係者の皆様にあらためてお礼申し上げます。


さてこの作品は二つの場面によって構成されておりまして、右の円の中には稲取の丘の上の展望台から臨む現在の稲取港の姿が、そして左には天保九年に記された伊豆国高村数という古地図が描かれています(作者再構成)。また両円の縁の部分にはこの地域にゆかりのある、例えば八幡神社の白い鳩、万祝いの鶴と亀、吊るし雛、ハンマアサマの笹のお侍などいろいろなものが描きこまれています。町の歴史を紐解くように、ひとつひとつ探してみるのも、楽しいかもしれません。


今のところ公開は路考茶の宿泊客のみですが、来年2月のイナトリ・アート・フェスで一般公開される予定です。そのころにはライティングもバッチリ利いているらしいので、ぜひ一度足を運んでみてください。

 
 
 

更新日:10月7日


シリコンに粘土を詰めていきます。型にはマーガリンを離型剤として塗りました。よく取れましたよ。
シリコンに粘土を詰めていきます。型にはマーガリンを離型剤として塗りました。よく取れましたよ。
上は型どりした椿タイル。下はそのタイルの素焼き後。右は空気で破裂してしまった。
上は型どりした椿タイル。下はそのタイルの素焼き後。右は空気で破裂してしまった。

シリコン製の型ができてしまうと、あとはいくらでも同じタイルを作ることができます。この点、版画とよく似ていますね。



それでもすべて手作業ですので、やることはたくさんあります。楽して、というよりはやはり楽しんでやっていると時間を忘れます。



そうやっていつの間にか人生も過ぎていくのがいいですね。好きなことはいつまでも続き、いやなことは忘れてしまえ。


鼠色の粘土は信楽の土です。800℃くらいで一度焼くのを素焼きと言います。素焼きを終えると下のようにピンク色に焼けて出てきます。


大きさは最初の鼠色の時より縮んでます。









釉掛けの済んだ素焼きのタイル。中央のは私の作です。
釉掛けの済んだ素焼きのタイル。中央のは私の作です。

素焼きのタイルに白い釉薬をかけます。これはいつも使っているポルトガルタイルの表面の釉薬と同じです。


この状態でやっと色付けをすることができるのです。


それでは、色を付けてみましょう。





最初は艶もなく頼りないのです。
最初は艶もなく頼りないのです。

普段使いの椿の赤はなんと「ホットチリペッパー」なる米Amaco製の顔料です。ただ一度塗では真価を発揮しないので、基本二回焼きで重ね塗りしています。


一発で出る赤もあるのですが、どうも単純すぎて面白くない。


それにあの赤を出すには、葉の濃い緑にも向き合わないとちゃんと椿にならないです。





左:焼成一回目。

下:二回目。きれいに焼けました。


最初の粘土の作り始めから4か月くらいたってしまいましたが、それでも順調に数を増やしていける体制になりました。


ワークショップのご参加はこちらから。


ご希望などありましたらメールで受け付けています。




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更新日:11月6日


椿タイル完成品。形を覆うなめらかな艶も魅力。
椿タイル完成品。形を覆うなめらかな艶も魅力。

ワークショップに通ってきてくれているC子さんが、「椿のタイルを作ってみたい。」とふと言われたので、挑戦してみることにしました



椿タイルを型枠で囲んだところ。
椿タイルを型枠で囲んだところ。

粘土はホームセンターで買ってきた信楽です。まずは厚さ1cmほどの板に粘土を伸ばします。たたら機という板を作る機械が売っていますが、うちでは版画のプレス機を代わりに使ってます。ただこうした機械がなくても高さの同じ木製のレールの間に粘土を置いてすり小木や塩ビパイプ等でコロコロ転がすと、だんだん平らになってきます。多少の波々も味と思えばOK。板の縦横サイズは15.5cm角くらいで切りましたが、乾燥や焼成で結構縮むので大きめに16cm角くらいで切っても良かったと思います。ターゲットは14cm角でした。


さてできた粘土板の上に小学校以来かな?の粘土ベラを使って葉や花びらを作ってもらいました。粘土を切って載せ、筋を入れたり、削ったりしながらじっと制作に打ち込むと、やがて力強いC子さんの椿が現れました。なかなか思いが詰まって見えますね。


もちろんこのまま焼いてもいいのですが、今回は「型どり」をして複数枚のタイルを作ることにしました。同じデザインのタイルが壁にずらっと並んでいるのもきれいですし、また色を変えると色のバリエーションを楽しむこともできます。私も型どりのやり方はわかっていましたが大昔に一度やった程度だったので、背中を押されるようにあれこれ段取りを立てていきました。



シリコンを薄めタイルの表面に塗る。
シリコンを薄めタイルの表面に塗る。
型の底部になる部分を別のタイルで平面にします。ここを押すことでシリコン充填が細部まで行きわたります。
型の底部になる部分を別のタイルで平面にします。ここを押すことでシリコン充填が細部まで行きわたります。

型どりにはシリコンシーラントを使用。石こうも候補にあったのですが、花びらと葉の裏にも型材が回りこみそうな造形だったので、柔軟性を優先しました。

まず作品の周りに高さ2~3cmの枠を作ります。枠は木や加工しやすい材がいいです。私は馬鹿なことに発泡材を使ったので、途中で溶剤に負けて一部溶けてしまいました汗。作業台にはラップを敷いて後の作業ではがれやすい状態にしておきます。ラップは大丈夫でした。





シリコンシーラントをラッカーで薄めて粘土表面に筆で塗ります。屋外作業です。

その後シーラントを直接タイルの上に押し出して型枠の上までうにうにっと流し込みます。








オリジナルタイルは崩していきます。
オリジナルタイルは崩していきます。
シリコン型が無事出来上がりました。
シリコン型が無事出来上がりました。



一週間後、型は十分乾燥し固着しましたのでいよいよタイルを外していきます。残念ですがオリジナルタイルはここでお役目ごめんです。粘土を崩したり水を加えたりしながら型がきれいに取れるのを期待して作業します。きれいにパカッとはいかないのですが、やがてシリコン型がお目見えしました。











やれやれ、ここで一安心です。















ワークショップを開催しています。








 
 
 

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